
海外でのカード決済はもはや日常的。しかし、その便利さの裏で外貨事務手数料というコストが発生していることを意識していますか?
特に大きな動きとして、アメリカン・エキスプレス(アメックス)が発行する一部カードで、2025年8月1日(金)から外貨事務手数料率が現行の2.0%から3.5%へと引き上げられることが発表されました。
これは、海外でのカード利用が多い方にとっては、利用コストに直接影響する無視できない変更点です。
この機会に、外貨事務手数料の仕組みを理解し、ご自身が利用するカードの手数料率を再確認してみませんか?
この記事では、手数料の基本から主要カードの比較、アメックスの改定に関する注意点、そして手数料負担を軽減するヒントまで、幅広く情報をお届けします。
まず知っておきたい「外貨事務手数料」の仕組み
外貨事務手数料(あるいは海外事務手数料、為替換算手数料とも呼ばれます)とは、シンプルに言うと、日本円以外の通貨でクレジットカード決済をした際に、カード発行会社が上乗せする手数料のことです。
海外の実店舗やオンラインショップでの利用が対象となります。
この手数料は、次のような流れで適用されます。
国際ブランドの基準レート
まず、Visa、Mastercard、JCB、American Expressといった国際ブランドが、その日の取引における基準となる為替レートを決定します。
カード発行会社の手数料上乗せ
次に、楽天カード、三井住友カード、アメックスといったカード発行会社が、この基準レートに対して、自社で定めた手数料率(例: 1.6%, 2.2%, 3.5%など)を上乗せします。
利用者への請求
この手数料が上乗せされた最終的なレートで日本円に換算され、カード利用代金として私たちに請求されるのです。
つまり、カード明細に記載される円建ての金額は、国際ブランドが決めたレートで換算された金額にカード発行会社の手数料分が加わったもの、と理解できます。
この手数料率はカード会社やカードの種類によって異なり、一般的に1.6%〜3.5%程度の範囲で見られます。
一見、小さな率に見えても、利用額が大きくなれば、その分負担も増えていきます。
おすすめカードの手数料率をチェック!
お手持ちのカードの手数料率はどうなっているでしょうか?
ここでは当サイトおすすめのクレジットカードについて、現時点での一般的な手数料率と、アメックスの変更点を踏まえた情報をまとめます。
カード名 | 国際ブランド | 手数料率 (〜2025/7/31、税込) | 手数料率 (2025/8/1〜、税込) |
エムアイカードプラス / ゴールド | Visa | 2.00% | 2.00% |
ジャックス横浜インビテーションカード | Visa/JCBなど | 2.20% | 2.20% |
エポスカード | Visa | 2.20% | 2.20% |
楽天カード / 楽天プレミアムカード | Visa/MC/JCB/Amex | 3.63% | 3.63% |
マリオットボンヴォイ プレミアム (Amex) | American Express | 2.00% | 3.50% |
エムアイカードプラス / ゴールド | American Express | 0.25% | 要確認 (※) |
エムアイカード(Amexブランド)について
エムアイカードのAmexブランドは、アメックス本体とは別の発行ライセンスに基づいています。
そのため、アメックス本体の手数料改定が、このカードにどう影響するかは、エムアイカード側の判断によります。
ご利用中の方は、エムアイカードからの案内や公式サイトでの告知を注意深くご確認ください。
重要な留意点
手数料率は変動しうる
ここに記載した手数料率は現時点の目安であり、将来的にカード会社によって見直される可能性があります。
アメックス新料率の適用開始日
3.5%の手数料率は、日本時間の2025年8月1日(金)にカード会社側でデータ処理が行われた利用分から適用となります。
海外での利用日とデータ処理日にはズレが生じることがあるため、7月末の利用でも8月1日以降の処理となった場合、新料率が適用される可能性があります。
日程には余裕を持つことをお勧めします。
改定対象カードの確認
ご自身のアメックスカードが今回の手数料改定の対象かどうか、必ずアメリカン・エキスプレスの公式サイトや会員向け通知で確認してください。
手数料を節約したい場合の選択肢

「クレジットカードの手数料はやっぱり気になる…」という人のために、手数料負担を抑えるための他のアプローチもご紹介します。
低料率のクレジットカードを探す
数は多くありませんが、外貨事務手数料率が1%台など、低めに設定されているクレジットカードも存在します。
年会費や他の特典とのバランスを見ながら探してみるのも一手です。
外貨決済に強いデビットカード
Sony Bank WALLET (Visaデビット)
対象10通貨の普通預金口座を持っていれば、その通貨で直接決済でき、外貨事務手数料がかかりません(円からの事前両替コストは考慮が必要)。
海外ATM利用手数料の優遇もあり、海外利用時の有力な選択肢です。
留意点
銀行によっては、通常のデビットカードでもクレジットカード並みの手数料がかかる場合があります。
マルチカレンシー対応のフィンテックサービス
Revolut
アプリ内で複数の通貨を管理・両替し、有利なレート(ミッドマーケットレートに近いが、プランや時間帯により変動あり)で決済できるデビットカード(またはプリペイド)を提供しています。
Wise
Revolutと同様に、実際の為替レートに近いレートでの決済や海外送金が強みのサービスです。デビットカードも提供。
留意点
これらは事前にチャージが必要な場合が多く、クレジットカードとは利用限度額や使える場所の点で異なる場合があります。
プランによる手数料体系の違いも確認が必要です。
これらの選択肢は、クレジットカードとは異なる特徴を持つため、ご自身の使い方に合わせて組み合わせるのが効果的です。
まとめ
外貨事務手数料は、海外でのカード利用における見えにくいコストです。
今回のアメリカン・エキスプレスの一部カードにおける手数料率引き上げ(2025年8月1日から3.5%へ)を機に、カード利用とコストの関係を一度見直してみてはどうでしょう。
まずは、現在お使いのカード、特にアメックスブランドのカードの手数料率(改定後の情報を含む)をカード会社の公式サイトなどで正確に把握することが第一歩です。
その上で、
- 海外での利用頻度や金額が多いなら、手数料率の低いカードや、デビットカード、フィンテックサービスの活用を検討する。
- マイルやポイント、旅行保険などの付帯サービスを重視し、ある程度の手数料は許容する。
といったように、ご自身の優先順位に合わせて、カードや決済手段を賢く選択・使い分ける意識を持つことが、これからのキャッシュレス時代においてますます重要になるかと。
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